大気放射と雪氷圏

気象研究所 気候研究部 第六研究室

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 地球における大気の動きや温度変化、降水の変化などのエネルギー源は、太陽から降り注ぐ日射(短波放射)です。日射は大気と地表面によって吸収、散乱、反射され、一部は宇宙空間へ戻って行きます。大気や地表面によって吸収された日射はそれらを加熱し、そのエネルギーが形を変え、大気中で再配分される過程で 大気の変化を起こしています。最終的には地球全体で受け取った日射エネルギーは地球放射(長波放射=熱赤外放射)となり地球外に放出されます。最近、人為起源の炭酸ガスなどの温室効果気体の増加により、地球が受け取る日射エネルギーと地球放射エネルギーのバランスが変化し、地球が暖まりつつあります。このバランスは非常に微妙で、温室効果気体だけでなく、雲、エアロゾル、地表面の変化など様々な要因で変化します。その中で雪氷圏は最も顕著に地球温暖化の影響を受け、地球システムのエネルギー収支に大きなフィードバック効果を持っています。
 大気放射のもう一つの重要な点は、日射や地球放射が単にエネルギーだけでなく、その放射が伝搬する大気や放射源となる媒質(大気成分や地表面)の様々な情報を運んでいるという点です。衛星センサーなどの放射量を測定する様々な装置を用いることにより、大気や地表面の情報を遠隔測定(リモートセンシング)することが可能となります。
 本研究室では現在、積雪面上で日射計、長波放射計、分光放射計等の測器を用いた放射収支の観測と同時に、放射量に影響を与えるエアロゾル等大気成分や積雪物理量の観測を行っています。そこで得られた結果を大気―積雪系の放射伝達モデルや積雪変質モデルで再現・検証することにより、雪氷圏における放射過程や積雪陸面過程をモデル化し、計算コストの小さなサブモデルを開発し、地球システムモデルに移植することにより、将来の気候予測の精度向上を目指しています。また、雪氷圏の質的変動監視のために、衛星リモートセンシングによる積雪物理量抽出アルゴリズム開発に取り組んでいます。

 取得した観測結果については、現在、札幌における自動気象・放射観測の準リアルタイム速報値と、つくばにおけるエアロゾル中炭素成分の観測結果を所内限定で公開しております。

SIGMA-A AWS snow BRDF measurement

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